「泣き止んだ?じゃ帰ろ?」



清瀬くんは私の顔をちらっと見て確認すると、ポケットに手を突っ込んだままどんどん公園の出口に向かって行く。

私も清瀬くんを追いかけるように彼の一歩後ろを付いて公園を出た。



それから前を歩く清瀬くんは私の家の前まで来ると、別れ際に言った。



「なぁ舞奈、ひとつだけ覚えてて欲しいんだけど。」

「何?」

「俺とお前、幼馴染みだから。」

「えっ?」

「お前、俺のこと全然覚えてねーけどさ。

でも間違いなく俺、お前の最初の男友達だから。」

「……」



「舞奈はそんなこと思ったこともないかもだけど、でも、俺は幼馴染みだと思ってるし、舞奈のこと大切に思ってるし、これからも困ったときは頼ってくれていいと思ってる。

だからこれからは舞奈も俺のことそう思ってくれたらいいな、って思ってるから。」



「清瀬くん…



ありがとう。」



「でも…」



清瀬くんが私の顔を覗き込む。