逆

「そういえば、さっき古江くんが美月のこと探してたよ。」


「え？」


「なんか、今日一緒に帰れなくなったって。」


香菜はそう教えてくれた。


「そっか、ありがとう。」


私は怒りを隠しながら笑顔を作った。


昨日裕司と久しぶりに遊びに行く約束をしていた。


なのに、またドタキャン。


この前も、そしてその前だってドタキャンされた。


ものすごく腹が立つ。


何か一言物申したいけど、大人しい私は言ってはならない。