私の真上にはまだ若い少年や少女の姿が見えた。

私と同じくらいの子もこんなことを、と

怒り、悲しみ、恐怖でもう心中はぐちゃぐちゃだ。


ふと、一人の少年と目が合う。

びくっと肩を震わせると、

一歩、二歩と足を後ろに下げる。


「なんで………?」


なんでこんなことをするのか。

なんでこんなことになっているのか。

こんな理不尽があっていいのか。

いろんな意味の『なんで』に答えなんで返ってくるはずもなく。



「ごめんな。」



少年は悲しそうに笑った。

その表情に息を呑み、体が硬直する。



いつの間にか少年は私の目の前にいた。

少年が腕を上げ、振り下ろす。

それだけで体の芯から凍えるような寒さがやってきて、

次第に立つことも難しくなる。

ドサッと倒れると、意識が遠退いていく。