__その時。


どくんっと心臓が脈打つ。

キーンっと高い音が頭の中に響いてくる。

空がぐにゃりと歪む。

太陽が閃光を放つ。



一瞬の事だった。



空の歪みから人が流れ込む。

青色のローブを身に纏い、フードを深く被っている。

空を飛び、次々に地上へ降り立つ。

彼らは『自然』と一体だった。

ある者は火を纏い、水を纏い、風を纏い。

火が走る。水が弾ける。風が切り裂く。

奥底から沸き上がるような低い音が鳴り響く。

海が、山が、花が壊れていく。

人が、壊れていく。