優等生、中川君。





「な…中川君?」


そう問い掛けると、中川君は、あ。と言うようにあたしを見た。



「あぁ、こころさん。」

「うん。あ、ありがとう。」


「いえいえ、脚立に引っ掛かる人初めて見たかも。」




ふっ、と笑って中川君は脚立を指差す。

後ろを向くと、あたしがつまずいた脚立が、少し位置をずらして立っている。


「はは…」


苦笑いしか出来ない。

脚立のバカ…。




「中川君ひとり?」

「あ…うん。」

「あたしもひとりなんだ。一緒に本読んでも、いいかな?」


「うん、おいで。」





おいで、って言葉に少しドキッとした。

眼鏡をかけていない中川君は、カッコいい。

多分、皆気付いてないんだろなあ…



そう思いながら、中川君の隣りのイスに座る。