手前から2番目の部屋を、男は鍵を取り出しササッと開ける。
「入って。」
言われるがまま、私は男の後について行く。
リビングに案内されキョロキョロと辺りを見渡す。
綺麗…何LDKなんだろう…。
「服。これ使って。」
私はペコリと頭を1度だけ下げた。
お風呂場に案内されれば、私は1人になる。
お湯…溜まってる…。
でも…私なんかが使ったらあの人が入れないよね…。
そう思い、パパッとシャワーを済ませてお風呂から出た。
着替えに手をとると、まさかの半袖…。
でも文句なんか言えない…。
私はその服に袖を通し、リビングへ向かった。
リビングのソファーに深く腰を掛けている男の肩をトントンと叩けば、振り返りざまに優しい笑みを浮かべた。
「早くない?お湯浸かった?」
私がフルフルと首を横に振れば、今度は何故か『はあ…』とため息を付きつつもやっぱり優しく微笑んでくれる。
「じゃぁ俺も少しお風呂入ってくるから、適当に座ってて。」