遥斗は悩んだ末、分かったと頷いてくれた。
「実はあの日家を飛び出した時ね。気づいちゃったの。」
「うん。」
私の話に相槌を打ちながら聞いてくれる遥斗。
「モヤモヤしたり、苦しかったり。でも会いたかったり…。夢の中でもお母さんとお父さんより、声の主を探してた。」
私の話に首を傾げる。
「あの声は遥斗だったよ。大好きな遥斗の声だった。ずっと呼びかけてくれてありがとう。」
そう言うと、遥斗は私にギュッと抱きついてきた。
「正直ビビってた。稚己が…居なくなるんじゃないかって。すっごく怖かった。」
私を抱きしめる遥斗の腕が、強くなる。
私は遥斗の言葉に頷きながら、1番口にしたかった言葉を口にする。
「遥斗…。私、ずっと遥斗と居たい。好きなの…」
私が言い終わると同時に、唇に熱を帯びる。
何度も何度も…角度を変えながら、お互いを求めるように…キスをする。