私は遥斗のお父さんの協力で、なんとか施設を免れた。
「遥斗頑張ってるよ、委員会。」
なんて啓悟くんが言い出すから、少し羨ましい。
だって私は学校で頑張ったことも、友達と楽しく委員会をしたこともない。
私が唇を尖らせてムッとしてると、啓悟くんはそれに気づいたのかフッと笑った。
「大丈夫。遥斗は稚己だけだよ。」
「え、それはどういう…」
「あれ、アイツまだ言ってなかったんだ。」
『相変わらずヘタレだね』なんて毒づく啓悟くん…。
私の病室に着くと、啓悟くんは入らずそのまま手を振ってサヨナラをした。
ベットに体を沈めると、急に寂しさが私を押し寄せる。
「遥斗…。会いたい。」
1日会えないだけで、こんなに寂しいなんて…。
この気持ちも大変だな…。
そんなことを考えていると、勢いよく扉が開く。
びっくりして思わず寝た振り…。