「何見てんの?あんた稚己の友達?」



電話を切り、俺の元に歩いてくる。




「あんた、誰。」




俺も負けじと睨見返して、問う。




「稚己の親よ。ほら、そこの。」




稚己の病室を指差し、フッと笑う。




「あんたあの子の友達なんだ。へ〜。」




ジロジロと俺を見てくる稚己の母親。




「あんた…さっきの会話…。それでも親が言う言葉かよ!!」



俺は力強く怒鳴りつけると、稚己の母親は鼻で笑う。



「フッ。あんな子産んだ覚えもないし、育てた記憶もないわよ。」



馬鹿にしたような笑いに、俺は拳を振り上げた。




「遥斗、ダメだよ。」



すると後ろから俺の拳を握り止める啓悟の姿。



俺は落ち着きを取り戻させるように、ふぅーっと息を吐く。




「こんなクズでも、一応女だからね。むしろ性別間違えて産まれてきたんじゃないかな?」



なんて呟く啓悟。



俺はもう一息吐くと、話を続けた。




「稚己は生きてんの?」



「さぁ。見てきたら?さっさと死んでくれた方が私的にはいいんだけど。」



クスッと笑う女に心底怒りが湧いてくる。



「行くよ。遥斗。」