お父さんが居なくなった途端、豹変したお義母さん。
ここから私の虐待生活は始まったのだ。
そんなことを考えながら、1人夜道をフラフラと歩く。
夏とは言え、流石に冷える。
私は近くの公園に足を踏み入れ、ベンチに腰を落とす。
カタカタと震える肩を抱きながらうずくまって居ると、目の前に人の気配…。
それに、雨も…。
私がスッと顔をあげると、顔立ちの整った長身の男が私に傘を掛けてくれていた。
「アンタ、なんでこんな所にいんの?」
私は口を開かず、男から目をそらす。
「なんで傘もさしてないの?」
私はそれでも口を開かず、じっと膝を抱える。
「なんで…靴履いてないの?」
少し曇った様な声に顔をあげると、何故か男は悲しそうな顔をしていた。
なんで…貴方がそんな顔をするの…。