「稚己…誤解だから。」
私は遥斗の話を聞く前に家を飛び出した。
やって来たのは、遥斗と出会った公園。
もぅ帰れないよ…。
気づいちゃったもん…自分の気持ちに…。
「お互い恋愛感情を抱かないこと…。」
私は初めて会った時にした、三つ目の約束を口にした。
帰ろ…実家に。
こんな痛みより…よっぽど叩かれてる時の方がマシだ。
私はベンチを立ち、公園をでる。
「やっと見つけた。」
「なん…で…。」
帰ろうと思っていても、体は拒否反応をおこす。
「あんたね、散々私に迷惑かけといてごめんなさいの一言もないの?」
大嫌いで大嫌いなお義母さん。
外では優しく…ううん。
爪が刺さるほど強く腕を握られ、家まで連れ戻される。
「お義母さん。痛い。」
「口答えするな!!」
パチンっと頬を叩かれる。
家の中へ入れば握っていた腕は離され、髪の毛を引っ張ってリビングまで引きづられる。
「やめ…て。」
「うるさいうるさいうるさいうるさい!!!!」
叩かれ床に倒れれば、至る所を蹴られる。
リビングに臭うお酒とタバコの入り交じった臭い。
遥斗の家のリビングはどんな匂いだっけ。
確か遥斗が使ってた柔軟剤の匂いだったよね。
それとも、遥斗の香水の匂いだっけ?
その日は意識が無くなるまで、暴力を振るわれ続けた。
