発表が終わって、自由時間になった。
唯と待ち合わせて、巡る約束をしている。
「せつな!すごいかっこよかった!」
「ありがとう…」
「凄かったー!私も入ろうかな…」
「じゃあ、やってみる?」
「私、本気だよ?」
冗談だと思ってた私は拍子抜けした。
「来年、入部届け出すから」
「頼めば学校祭終わってからでも…」
「ほんと!?じゃあ終わったら頼んでみる!
学校祭早くおわんないかなー」
さらっと酷い事を言う唯。
「お、唯」
「直人」
「なんで…あんたもいんのよ」
「え?酷いなぁ、せっちゃん」
直人くんの横に翔くんもいた。
「…せっちゃん…?」
不審そうに直人くんが見てくる。
「違うからね!付き合ってとかじゃないから!」

「唯、俺ら2人で周ろっか」
「うん。そうだね」
真顔で棒読みのままそう言う2人は気付いたらどこかへ行っていた。
「もう!」
「俺にキレんなって!俺も被害者なんだよ」
「確かに」
「まぁ、どっか周ろうぜ」
そうすることにした。
「…たこ焼き」
「あ、せっちゃん。好きだったけ?買う?」
「うん。食べたい」
私たちは6個入りのを1パック買った。
「あーん」
「ちょっと!翔くん…」
「ソロのご褒美」
「えー!…うぐ」
そのままたこ焼きを口に入れられた。
あまり熱くなくて、ちょうど良かった。
「美味しい」
「ほんと?俺も」
普通に食べようとする翔くん。
「待って…私にやらせてくれないの?」
「やりたいの?あーんって?」
「別に、そう言うんじゃ…フェアじゃないのが嫌なの」
「じゃあ、やって?あーん」
「え!?あーん…」
「ふ、美味しい」
はにかんだ笑顔に胸がキュンとなった。
長いようで短い学校祭は終わった。