喜びの音色も悲しい音色も全部キミと

球技大会が終わった夜。春に電話した。
「でさ、春…」
『何?』
また春は話を聞いてくれていない。
「なんでもない、もう寝るね。おやすみー!」
寝るなんて嘘…
春と話すのがなんか気まずくて、電話を切った。
ベランダに出て夜空を見上げる。
「綺麗だな…」
雲ひとつなくて、星の1つ1つが見える。
私の心と大違い。
私の心、いつも雲が覆ってる。
分厚くてなかなか晴れない雲に…
「あ…」
流れ星…
暗い夜空に一筋の光が流れて…
それに向けてお祈りする。
せつなと…また仲良く…友達になれますように…
「おーい。唯!」
そんな願いを思っていると直人の声が聞こえた。
声が聞こえた下をベランダから覗く。
「乙女チックに願い事か?」
「うるさいわ!今からそっちに行くから待ってて!」
急いで階段を降りて直人の元に向かう。
「何してんの?」
「なんとなくぶらぶらしてた」
直人は昔からこうゆう気まぐれなところがある。
そうゆうところも好きだけど。
「直人はサッカーどうだった?」
球技大会でサッカーを直人は選んだ。
「おぉ、たのしかったぜ。新しく話せる奴もできたし」
「へぇ、なんて名前?」
「橋本翔」
その名前に聞き覚えがあった。
せつなの友達…
喧嘩してから橋本くんとせつなが話してるのを見ると嫉妬とか羨ましいとかそんな気持ちが生まれる。
「唯?」
「あぁ、ごめん。なんでもない。」
「そうか。お前はどうだったんだよ?」
「何が?」
なんとなくわかったけど…。
「その、せつなとさ。仲直りできたのかよ」
「ううん…むしろ喧嘩しちゃって」
「そうか、案外せつなも不器用だもんな」
「うん。それに、私に反論して来て…いつも喧嘩する時は私が一方的に言ってたけど、せつなが言い返して来て、本当に腹が立ってるんだなって思った」
私が悪いのに一歩踏み出せない。
直人にはせつなと喧嘩した事は話していていた。
私が話したのは直人だけ…
春には話せなかった…
1番近い人のはずなのに…
少し距離感というか気まずさがある。
好きなはずなのに…
せつなが言っていたことが本当に思ってくる。
「もう、仲直りできないのかな…」
消え入りそうな声で独り言のように呟いた。
「唯はどうしてぇの?」
「え…」
「せつなと喧嘩したままでいいのかよ」
「私は…」
どうしたいの?
春と一緒にいたいの?
違う…
せつなとも春とも一緒にいたい。
大切な人たちともっと深くなりたい!
「私は仲直りしたい…」
「だったらガツンと素直に伝えてやれよ」
「うん…」
「せつなもきっとそう思ってるぜ」
そうかな…。
そうだったら嬉しいなぁ。
そのあと直人と別れて、手帳に今日あったことを記す…
せつなと喧嘩してからずっと書いてる日記。
ここに記した思い届くといいなぁ…