"荒野先輩って本当にいい人?"
せつなにそう言われてた。
どうしてそんな事…。
確かに私はずっとモヤモヤしていた。
春はなんだか、冷たい。
優しいけど、どこかいい加減…。
たまに不安になる時がある 。
『私は彼女だって』
言い聞かせないと、心がとても不安…
私はせつなみたいに可愛くないし、頭だって悪いし、変に誤魔化すところがある。
せつなと一緒にいても、『せつなは私といて疲れないかな?』とか、マイナス思考に囚われる。
「唯」
目の前のせつなにそう呼びかけられた。
「何?」
「どうしたの?」
「ううん、何でも」
ここ最近、春とお昼を食べていた。
だけど、今日は珍しく、委員会の仕事とかなんとかで…。
午後の授業も集中できなかった。
せつなの言葉が何度も蘇る。