桜の木を眺めながら今日から通う高校に向かう。
今日は入学式。
今日から私も高校生。
新しいバックに新しい制服。

すべて新品でなんか気持ちいい
「おっはよー。せつな。」
「唯(ゆい)!おはよ。」
親友の小坂(こさか)唯。
明るくポジティブでいつも元気。
「今日入学式だよ!もうワクワクしすぎる〜!」
「大袈裟」
「もぉ!せつなってばクール過ぎ。」
表には出さないけど私もワクワクしてる。
やりたい事が沢山ある。
恋愛だってしてみたい。
でも私なんかじゃ無理か...。
ましてや唯と一緒にいられるのですら奇跡なのに...。
私なんかと一緒にいてくれる唯は優しい。
「おはよう!お2人さん。」
そう言って後ろから私たちの肩に後ろから手を掛けて来たのは唯にとっては幼馴染み、私にとっては同じ中学の花咲直斗(はなさき なおと)だ。
入学式早々練習なのか大きなエナメルバッグを持っている。
「もぉ!直斗びっくりしたじゃない。それに勝手に女子の体触るのはセクハラなんだから!」
「せつなならまだ分かるけど何でお前が怒ってるわけ?」
「どうゆう意味よ⁉︎」
言い争う2人を見て私はバッグを握りしめた。
私にもこんな風に言い合える人が欲しい。