真っ暗な、道もない道を、私は走っていた。

なにかの恐怖から、
逃げていた。

息もまともにできず、
手足を無我夢中に動かして、
ただただ、当てもなく、私は必死に走っていた。

私の足音が、
虚しく辺りに響いていく。

恐い。
怖い。
誰か、助けて
誰か、気づいて

私の掠れた声もまた、
虚しく辺りに響いていく。

誰にも、どこにも、届かない声を、
私はずっと、叫び続けた。