『本日、碧水族館にお越しの皆様にお知らせです。午後14時から、ペンギンの赤ちゃんの御披露目ショーを行います。整理券をお求めの上、お越しください。』


アナウンスでショーの案内が流れた。

「赤ちゃんかー。先輩、どうします?って、あれ?先輩?」

「はあっ、はあっ、柚月ちゃん!」

「先輩?!どこ行ってたんですか?」

「これだよ。」

先輩から差し出されたものはペンギンショーの整理券。

「え?先輩、何で...。」

「だって柚月ちゃん、水族館来てからずっとペンギンのポスター気にしてたし。」

「顔に出てました?」

「うん。」

恥ずかしいっ!


「さっ!行こ!」

「はい!」

ぐっと手を引かれ、ショー会場まで走り出した。







こんな青春みたいなこと初めてした。







楽しかった。嬉しかった。





この時間が終わらなければいい、そう思った。