「はい。じゃあ、教科書P65の問題解いてね。」

あー。最悪ー。暇だなぁー。

「じゃあ、木下さん解けたかな?途中式と答え言ってー。」

え、まて、私ですか?嘘でしょ?

「木下さーん?」

やばっそろそろみんなから注目浴びちゃう・・・。

「おいっ!やっぱお前教科書ないんだろ?このノート見ていいからとりあえず答えろ!」
そう言ってノートを見してくれた。

「Xに代入・・・」

「はい。正解です。」

私はホットした。あ、それより・・・

「ノートありがと。」

私はノートを返した。

「はいこれ。お前教科書やっぱないんだろ?俺と一緒に見よーぜ。」

「いや、平気だから。」

「そんな事言ったってさっきみたいになったらどうするんだよ。」

「そ、それは・・・」

「いいから、見とけって!」

「ありがと。」

若干不満交じりに私は言った。

静かな授業中ただシャーペンの音だけが響く。そんな中私に話しかけてきた。

「なぁなぁ、お前名前なんて言うの?」

「知ってどうするの?」

「いいじゃーん」

「木下美留。」

「OK。美留ね!俺は本田拓人!」

「別に聞いてないし。それに、なんで名前で呼ぶの?」

「だってよー、木下ーより美留ーの方が響き?って言うの?なんか、良くね?」