「良かったね!」

コソっと小さな声でウタが耳打ちしてきた。


「そうだねっ!!」


そう言って、私は満面の笑みをウタに見せた。



まだ盛り上がっている教室を後にして自分たちのクラスへと戻った。


「ねぇ〜〜美那も好きな人作れば!?」

私の目をじっと見て、ウタは言う。


「ウタはさぁ、叶わない恋だって分かってるけど…それでも、恋するって楽しいよ!」


「うんー…そっかあ。」


ウタは…今、恋愛をしている。

それも、叶うことのない…禁断の恋。

…いや、叶うかもしれない。でも、叶ったとしても絶対に誰にもバレてはいけない…。