不器用な狼彼氏と鈍感な彼女

ああ、と言って、立つ風月。席もまた隣だった。もちろん千花と修也もね。

中学校生活って、静かなものかと思っていたけど割と楽しそう。

*****

入学式も無事に終わり、私たちは帰路についていた。もちろん4人で。

千花が『アイス食べたい!』なんて言うからみんなでこれから食べに行くんだ!

「俺喉乾いたんだけど…なぁ、凛?」
「うん、千花と修也は?喉乾いた?」
「うん、私喉カラカラだよ!修也、買ってきて。」

奢って、と言うように千花は修也に頼み込んでいる。
どんだけ面倒くさがりなのよ…

そんな中、修也が1つの提案を出した。

「ジャンケンで決めれば良いじゃん!いくぞぉー、ジャンケン…ポン!」

気が早すぎる!
ちょっと待ってよ。

「ヤッタァ、勝った!てゆう事で、風月と修也で行ってきてね。ここにいるから。あっ、私サイダーで〜」

「私、緑茶でお願いね!」

「へいへい、分かりやしたよ。風月行くぞ!」

修也は風月と肩を組んで渋々自動販売機に向かって行った。



【千花side】

あー、もう!見ていてうずうずする。
小学生の頃から見てきたけど、あの2人絶対両想いでしょ⁈
風月なんかたまに口滑らして『好き』とか言ってるし。
それに気付かない凛は鈍感過ぎる!

席でたまに後ろから2人を見ていると、目合わせて顔赤くして、照れ隠しに後ろ向いて見たりしてるし。

もう、いっそのことくっつけたい。

小学生の頃1人でいた私に声をかけてくれた人。お金持ちでもない、頭も良くない。一般人の私に、お金持ちで、頭が良くて、みんなの憧れのあなたが声をかけてくれたこと本当に感謝してる。
だから、次は私があなたに恩返しをする番。
あなたを幸せにしたい。
だから、凛が自分の気持ち気づくように頑張ろう。

まずは…
「ねぇ、凛。風月のこと好き…なんでしょ?」

「なんで…なんで分かったのよ!」

「見てれば誰だってわかるよ。」

そう、見てれば誰だってわかる。
2人とも気づいてないけど、本当に夫婦かなって思ってしまう瞬間が何度もある。

そして、本題はここから。
「いつ告るの?風月いい顔してるから、早くしないと取られちゃうよ。」

凛は、「だってさー…」だってよ。
これだから、お嬢様は。

「あっ、風月と修也きたよ。行こっか。」