不器用な狼彼氏と鈍感な彼女

なんでもっと早く気付かなかったのかな?

でも、私はもう汚れてしまった。
なんでいつも気付くのが遅いんだろう。

今だって…
気づくのが遅かった…もう、本当に遅いのかもしれない。

だって…唇になんか、あたってるもの…
これを『キス』と呼ぶのでしょう。

汚い…気持ち悪い…

「イヤッ!やめてよ!」

縛られて、自由のきかない手を必死に動かす。
____ガラッ
ドアが開いた。
誰だろう…助けて。

「おい…オメェ等何してくれてんの?」

この声…

「風月!」

嬉しくて嬉しくて、目から涙が溢れでた。
なんでわかったんだろう…私の居場所…
まぁ、さすが『幼馴染』ね。

「高貴な姫君はな、そんなキスじゃ満足しねぇんだよ。」

すっごい怒ってる。
でも…満足しないって何⁈
どう言う事?

「なんだとテメェ…なめてんのか?」

「別になめてなんかないし。なめてんのそっちじゃん。満足っていうのは、こういうことだろう?」

風月に手を引かれた。
耳元で『帰るぞ』って囁かれた。

「俺が、満足させてやる。見てろよ、これが『本物』だ。」

体が浮いたと思ったら、風月の腕の中にいた。

____チュ

何?
なんか、唇にあたってる…
でも、今度はイヤじゃない…