N+1dream

お母さんが残業の日の楽しみ。夜の散歩。
何か起きた時のために、財布とスマホだけ持って夜の町を歩く。


私が唯一する危険なことかもしれない。この町の危険は取り払われたから、事件は起きないと思うけど。


夜風が気持ちいい。人がいないこの道は異世界に続いてそうだと思ってしまう。
暗闇の先に、何か大きな変化をもたらす出来事が待ってないかな?


たとえば、不思議な力を持った人が走ってきたり……。
そんなこと、一度も起きなかったけど。


もっと向こうに行きたい。けど、お母さんが帰ってくる時間に間に合わなくなりそう。


夜の繁華街に続く道は諦め、家に戻った。