放課後は真っ直ぐ家に帰った。ゲームセンターに寄ったりすることもあるけど。
鍵を差し、無言で中に入る。
ふくらはぎを締め付ける靴下は脱いで寝転がる。
お母さんは夜の七時頃に帰ってくる。残業の時は八時以降。
お父さんは私がまだ幼い時に離婚したからいない。
このおしゃれなアパートの居間で寝転がる。私の部屋は、昔の思い出が詰まっているから入りたくない。寝る時しか使わない。
目が疲れたからゲームをやめて、台所に行く。シンクに洗っていない食器がたまっていた。
棚にはカップラーメンがあった。小腹を満たすために買っておいてくれたのだ。
お湯を沸かして、カップラーメンを作る。
私の好きなカレー味だ。お腹が空いたときに食べるカップラーメンは、下手な手作りの料理より美味しい。
外を見ると大分暗くなっていた。私は部屋のカーテンを閉めて、カバンを持つ。
鍵を閉めて、くるりと後ろを見る。青く暗い町で、街灯が目に突き刺さるようだった。


