「で、どんな奴に追われてたんだ?」


自動販売機の側で、コーンポタージュを持ちながら聞いてきた。


「元近所の人。六年前逮捕されたんだけど、出所してたみたいで……。今日、目が合っちゃって追いかけられてました」


「そんな危険な状況だったのか……。あっあいつら……!」


「何!?」


「あの辺りに家出した弟たちが残っている!」


その時、缶がベコッとへこんだ。


「俺は探しに行くからお前は待ってろ!」


中身を飲み干し、ごみ箱に投げ入れた。
走り出した彼の後ろ姿を見て、罪悪感がうまれる。


私のせいだ。私のせいで誰かが傷付く。


責任は取らないと!


足手まといになるかもしれないけど、私も探しにいく!

警察には通報しておいたけど、まだ捕まっていないかもしれない。
皆、無事でいて!


私も遅れて走り出した。