N+1dream

次の日になっても、良い夢への憧れが解けなくて憂鬱だ。


あの夢の私は、どんな行動を取ってあの道を歩めたの?
一からやり直さないとあんな風になれない?


「おはよう百日」


「おっおはよう!」


何か変わるかなと思って、声のボリュームを上げてみた。すると、声が裏返ってしまった。


「あははっ!今日は何か元気ねぇ」


「うん、ちょっと良いことがあって……」


「何?」


「えっと……良い夢を見た。それだけ」


これじゃ、素っ気ないと思われてしまうかな?
何かフォローする言葉を挟もうとしたけど……。


「そっか、よかったね」


山越さんは行ってしまった。
でも、これは進歩かもしれない。


私は拳を握り締めた。親指を締め付ける感覚が気持ちを高揚させた。