一喜が生まれた日



それは、一喜の母親の命日でもある

毎年、おじ様は、留守にするのだと知ったのは、一緒に暮らしてから


私は、母やおじいちゃんと暮らし
記念ごとはしてきた


一喜は、ずっとひとりだった



だから、おじ様の顔色を伺い
認められようと必死なのだと気づいた


一喜が御手洗に席を立ち


兼ちゃんが私をマジマジと見る


「悠樹みたいな妹がいて羨ましい!」




兼ちゃんの言葉に???
と、小首を傾げた



「一喜がさ!んーと、悠樹が高校生になる前?俺ら大学の時なんだけど
『俺に妹が出来たんだ』って
自慢してたんだよ!」



なんだろう…

嬉しいかも…