数日後


会社のロビーは騒然としていた

悠樹を中傷するビラが貼ってあったのだ


《宮崎悠樹は、名門中学を追い出された》


という見出し

金銭目的で、男子生徒や先生を誘惑した

という内容

クソッ!破いてやる!!!


俺より先に手を出して紙を剥がしたのは


先輩だった

ハンカチを使い、紙を剥がし
ジッパー付きの袋に入れた


それを高らかに掲げ


「会社の許可なしに、勝手に掲示物を貼ってはならない
しかも、それが個人を中傷する不快な物
これは、しっかりと上に報告する!」


先輩は、スッとエレベーターに向けて歩き出した
その背中を見れば、怒っているとわかる


エレベーターに乗り
改めて、おはようございますと挨拶する


「大事な証拠を破くんじゃねぇぞ」


先輩は、本気だ
俺も闘うぞ!