そういえば…


「先輩… 彼女いるんですか?」


「……」



まさかの無言??




そして、真顔で



「彼女っつーか、ほら…許嫁だ」



ああ 先輩は、そういう世界の人だった
もしかしたら、恋愛をしないように
心にブレーキをかけて生きているのかな


「先輩… その人好きですか?」


「……まあな」


先輩のスマホが着信を報せる


「どうぞ ここで話して下さい
静かにしてますから」


申し訳なさそうに、俺を見た後


「もしもし
今日は、晄と飲んでんだ
ん、またな」


通話を終えてから、俺にヘラッと笑い

グラスのビールを飲み干した


「晄 お前さ 宮崎に告白する気ねぇの?」


「接点がないってのは、言い訳ですけど
宮崎さんが、誰とも付き合わないのは
何か理由があるのかなって
仕事したいとか、過去の失恋とか…
そういうの全部吹っ切って
宮崎さんが前向きになってからでいいかな俺は、宮崎さんが好きです!
それだけは、威張って言えるんで
まだまだ待てます!」


「晄って、チャラい割に一途だよなぁ
俺な 晄に紹介したい子がいるんだ」


「先輩…俺、宮崎さん一筋なんで!!!」


「そうか 会ったら惚れるのに」







その自信は、どこからくるんだか……





俺は、宮崎さんが好きなのに…