たくさん歩いた


夏の暑さなんて気にならなかった


水分補給もせず




ずっとずっと歩いた











無性に会いたくなったの


お母さん、おじいちゃんに…

















でも、会えなかった










夜遅くに制服で歩いていたから
補導されてしまったの







私は、何を聞かれても答えなかった


亜樹さんが迎えに来てくれた





懸命に補導員に頭を下げる
亜樹さんの姿に





私は、どこに行っても面倒な存在なのだ




そう思った






「今夜は、うちに泊まろうか?」


「寮に帰る」