「どこも、ケガしてないか」


『アンタの方が、大ケガじゃんっ』


「ケガはないか、って聞いてるんだっ」


『・・大丈夫』



黒男子は、

私が着ていた黒いパーカーの

ジッパーを首まで上げて、

自分の袖で

私の涙を拭いた。