「おい‥」



全く気付かねぇ‥



さすがに声が小さすぎたか



「おい!」



顔を上げてキョロキョロしだしたけど、また時計見て姿勢は戻った



「‥め、芽衣!!」



"?"みたいな顔してこっちに振り向くと、気が付いたのか小走りで寄ってきた



「車だったんですか?すいません、気が付かなくて…」


「いや、言えばよかったな。とりあえず乗って」


「はい♪」




助手席に座わらせ、すぐに車をだした



「タバコ平気?」


「あ、大丈夫です。気にしないでどうぞ。‥どこ行くんですか?」



女って、タバコの煙とか嫌う印象があんだよな‥

吸わない奴はとくに



俺なりの気遣いってやつ



タバコに火をつけ、考える



「ん〜、メシ食った?」



「いえ、まだですけど」



「行き付けあるから、そこでいい?」



「はい、ぜひ!!」




ここからすぐの所に倉岡とよく来るメシ屋があった


和食派な俺にはピッタリな店



つーか、行き付けじゃねぇと女とメシなんてできねぇっての



あ…こいつ分かってんのかな




俺らの関係は言っちゃダメってこと





「なぁ」


「はぃ…?」




店に入り注文し終わった後、俺は確認のため聞くことにした