"私がファン1号ね"



"無理だよ…旦那も子供もいるし‥"




"壮ちゃん、頑張ってね"





綾…



存在が遠い…―



綾…俺は…




お前が…‥




"壮ちゃん、元気でね"



"バイバイ"




綾…?



どこに‥―




「…っ!!」




静まる部屋で息を荒くした俺




夢を見た…




最近同じ夢ばっかり見る




綾の声が何度も聞こえてきて、最後には"バイバイ"って…




手を伸ばしても、決して届かねぇ




忘れるって決めたのに、どうかしてる‥





時計を見ると、晩の6時を回っていた



やべ…


7時だったよな




ソファーから立ち上がり、それなりに着替える



俺が決めた待ち合わせ場所まで愛車を走らせ、車の中で待つ



pm 18:45



ちょっと早かったか…



まぁいい

すぐ来るだろ‥




サングラスを掛け、車の中から辺りを見渡す




すぐに向こうから走ってくる女を見つけた



そして俺の車の横で立ち止まり、動かなくなった



あ…車って言ってなかったから気付いてねんだな



時計を気にしながら、バックから小物をだし、自分の顔をチェックしだした




俺は窓を開け、小さな声で呼んだ