なんだ…?


わかんね‥



だって無意識だもん





春の女だって、たぶん春を待つだろう



だったらこの女は一人で帰るわけで




家がどこかなんて知らねぇけど、酔った女がドレスアップして歩いてるなんて‥



さすがの無愛想な俺でも



不安になった





「じゃあ、芽衣‥頼んでいいですか?私、春待つんで」



春の女は俺にそう言って、芽衣という女を渡してきた


「え‥ちょっとっ///」



「いいじゃん。一人じゃ私も心配だし、壮介くんが送る、って言ってくれてるんだからさ。」



「そうだけど…」




この女は遠慮してんのか?



俺のこと苦手?



芸能人と帰るのが嫌か?




つべこべ言ってねぇで帰るぞ、早く




「車、外にあるから行くぞ」


俺はそう言って、女の肩を持った



「はい…///」




素直じゃねぇか



最初からそうしろよな




ふと春の姿が見え、これから挨拶だと思われる春がどこかニヤニヤして見えた




……?



振り返り、春の女も同じ表情だった




分かりやすいんだよ…お前らは



ただ送るだけだろ




何もねぇよ




何もねぇ…