彼女は私の腕を掴んで勢いよく立ち上がった。


手を握り笑顔を向けられる。


笑いながら泣いてる。



「ずっと一緒に居たいけど、もう時間がない」

「時間って? 何!?」

「私の事憎んでくれていい。 忘れてくれていい。 だけどこれだけは忘れないで。 貴女を必要としてくれてる人は沢山いる。 一人じゃないよ」



おでこ同士がコツンとくっついた。


その時ビリビリっと痺れる感じがした。


色んな人の顔が頭の中に流れ込んでくる。


場所や出来事、感情までも……。


目の前に居る女の子。


彼女もその内の一人だった。



「おね__っ!?」



突然体が浮いた。


繋がれた手が離れそうになる。



「イヤ!! 一緒がいい!! 一緒に行こう!!」



僅かに繋がっていた指先が離れた。



「離れたくないよっっ!!!!!」

「心!! 大好きだよ!! 私も! お父さんも! お母さんも! 心が大好き!! 幸せになってねっっっ!!!!!」

「お姉ちゃん__っっ!!!」



お姉ちゃんはずっと笑ってた。


見えなくなっても私の涙は止まらなかった。