「こんなに早く会うことになるなんて思ってなかった」



大切な人って……。



「私?」

「ごめん、ごめんね……」

「泣いてるの?」



震える肩。


胸が痛んだ。


私も彼女を抱きしめた。



「ただ生きて欲しかったの。 私の想いで貴女を苦しめた」

「…………」



彼女が言っている事がよく分からなかった。



「私も貴女もこうして生きてるじゃない」

「一緒にいるだけで生きているとは言えない。 ここは貴女の居るべき場所じゃない」



体が離れて顔を覗き込まれた。


彼女が瞬きをすると大粒の涙がこぼれ落ちた。


頬に感じる小さな衝撃。



「悪い事をしたなって思うけど、やっぱり私は貴女には生きててほしいって思う」

「私……ここがいい……ここに居たい」



ここはホッとする。


けど目を瞑ると遠くから声がした気がした。



“ココッ!”



「こ、こ……? だ、れ……?」

「あなた」

「え?」

「ココはあなた」

「分からない……」

「大丈夫。 目を覚ませばみんな居るよ。 右京も吉良も恵奈も直も……秋生も」

「しゅう、せい?」



どうしてだか涙が溢れてきた。


止まらない。


苦しくて胸が潰れそう。


助けて。


誰か__っ、助けて……。