「秋生がごめんね?」

「え……?」



『ごめん』ってどういう意味?


何がごめんなの?



「見た目も良くて、頭も良くて、スポーツもできて完璧!って思われがちなんだけど、ちょーっと女癖が悪いって言うの? 少し気に入った子見つけると嘘ついて遊んじゃうんだよね」



え?


ちょっと待って……。


何それ。


どういうこと?


嘘。



「仮にそうだとして、なんでそんな人と付き合ってるの?」



声が震える。


気付けばスカートをギュッと握りしめていた。



「私のところに戻ってきてくれるから。 私も秋生の事好きだし、遊びならいっかなぁって」

「意味、分かんない……」

「別に? 分かってもらいたいとか思ってないよ? ただこれだけは分かってよね。 私お願いしたからね? 秋生に近づきすぎないでってさ」



胡桃ちゃんは言いたい事を言うだけ言ってカフェを出て行った。


上手く頭が回らない自分が情け無い。


上手く言葉に出来なくて、言い返せなかった自分にイライラする。


頭が痛い。


胃がムカムカする。


胸の奥がドロドロしてる。