気にしない、気にしない……。


こんなに夢中になってテーブル拭くの初めてかも……。



「良い感じに決まってるじゃん!」

「早瀬君今までの子たち切ってるって話だけど、胡桃と上手くいってるからって事?」

「秘密っ!」

「何それ!? 気になるじゃん!」

「秋生が何も話してないなら私もまだ言わない」



賑やかな声。


楽しそうな笑い声。


私は何も楽しくなかった。


あの子たちの話が本当かどうかも分からないのに胸が痛い。


秋生の気持ちを信じたいのに気持ちが揺れる。


返事も出来なかったくせに……自分の身勝手さに嫌気がさす。



「心ちゃん、だよね?」

「え? あ……うん」



飲み物を持って行くと、胡桃と呼ばれてた子に声を掛けられた。



「あ! キラと雑誌載ってた子じゃない!? え!? 知り合い!?」

「秋生の知り合い。 話し聞いてるよ? 良い友達だって。 あ、私胡桃。 宜しくね」



ニコッと笑顔を向けられた。


私は笑えてたか分からない。