家に帰るとリビングにうーちゃんがいた。


うーちゃんの顔見てホッとした。



「ただいま。 みんなは?」

「全員仕事」



うーちゃんママの千代さんは看護師で夜勤もあるからたまに夜いない。


うーちゃんパパの昭仁(あきひと)さんも大企業の役職のある立場だからか、ほぼ毎晩会食で帰りは遅い。



「飯用意しとくから着替えてくれば?」

「あ、うん、ありがとう」



部屋着に着替えて更に気が抜ける。


カバンの中から水筒を取ってリビングに向かった。



「シチューだ!」

「おかわりあるからな」

「うん! うーちゃんコーヒー飲むよね?」

「飲むけど何で」

「じゃーん! 涼介君が淹れてくれたコーヒーだよ」



うーちゃんが持って来てくれたカップにコーヒーを注いだ。


魔法瓶に入っていたからちゃんと湯気が立つ。



「美味いな」

「でしょ?」



そう言って笑うと、うーちゃんの手が伸びてきた。


そのまま頭をくしゃり。



「バイト、楽しくやれてるみたいだな」

「マスターも紀美子さんもすごく優しいよ。 涼介君も色々教えてくれる」



良いところでバイトできて良かった。


学校終わりにバイト行くのも、お休みの日にバイトに行くのも楽しみでしょうがない。