チラッとテーブルに置かれた小さなプレートを見るとアルバイト募集の文字。


募集してるって事はおじいちゃんとおばあちゃん以外人いないのかな?



「お待たせしました」



テーブルにチーズケーキとカフェラテが並べられた。


うわ!



「可愛い〜〜!!」

「ふふっ、ありがとう」



クマさんのラテアートに感動した。



「可愛くて飲むのが勿体ないです」

「ありがとう。 主人も喜んでるわ」



やっぱりご夫婦だったんだ。


カウンターを見ると、ビシッとベストを着こなしたマスターが微笑んだ。



「でも温かい内に飲んだ方が美味しいわよ」

「そうですよね。 勿体ないけど温かい内に頂きます」



あ!



「あの! アルバイト募集されてるんですか?」

「えぇ、私たちももう歳だから、お手伝いしてくれる子を探してるの」

「それなら今度面接で伺ってもいいですか?」



私がそう言うと、おじいちゃんとおばあちゃんは顔を見合わせた。


すると何故か2人ともふわりと笑った。



「それじゃあお願いしようかしら」

「え?」

「いつから来られそう?」

「え!? 面接も受けてないのにいいんですか!?」



というか、名前すら言ってない。