ダンジョン。
それは、未知なる宝へと導く謎の空間。
人々の生活を豊かにさせる宝は、売れば高値がつくと世界中で轟かされている。
だが、ダンジョンに入る者・挑戦する者はすごくと言っても過言ではないほど少ないのだ。
その理由とは。
ダンジョンは貴重な宝が多い分、危険を伴う、下手をすれば、死に至るというケースが少なくないためである。
危険な原生生物が潜んでおり、人間を襲い喰らい尽くす謎の生物___人々はそれを魔獣と呼んでいる。
魔獣に抗う術など人間は持っていない。
それが世界の常識なのだ。
否。人間は、自らの全細胞を駆使させることで魔獣に抗う術を手に入れた。
その力こそダンジョンに挑戦する者の絶対的条件、魔法だ。
魔法が存在することによって、ダンジョンに挑戦する者の数が増え、手に入れた宝は現時点で数えられないほどの物となり、世界は潤い豊かになったと言われている。
危険を顧みず、ダンジョンに挑戦する勇者を人々は魔術師と呼んだ。
魔術師は上から順に、
伝説級・S級・A級・B級・C級・D級・E級
とランク分けされており、伝説級は世界で二人しか存在していない超エリート魔術師だ。
そんな超エリート魔術師・伝説級を目指す者は、みな"私立魔術総合学院"に通い魔法の基礎学・応用学・実技を学び、伝説級昇格を目指すのだと言う。
これらの話を踏まえるに、ダンジョンは危険を脅かす空間であっても、世界に栄光の光を灯す希望だと思えるのでは?
あっはは、甘い。考え方が甘過ぎる。
こんな浅はかな考えを持っている彼らは、本当の苦しみも知らずに、今までのように学び続けることだろう。
これからの不安をこれっぽっちも抱かずにね。

