そうだ…!転校生くん、私の隣じゃん!

そう思うと少しだけ緊張してしまうのは仕方のないことなのだろう。



「転校生くん!私、シーナ・ウルマ!ハクって言うんだよね?呼び捨てでも大丈夫かな?」



と私を挟んで転校生くんに話しかけるシーナ。

若干、体を乗り出しているから私が潰される状態になるのだ。胸が押しつぶされるように苦しい…。

おい、シーナ。周りのことも考えろ、この野郎。

シーナのテンションの高さに戸惑いながらも転校生くんは軽く頷いて見せた。



「構わないが……。あの、シーナ」

「うっほ!名前で呼んでくれた!何なにー?何でも聞いちゃってー!私の心はどんな言葉でも受け止める広い人情の持ち主だから!」

「今、幻聴が聞こえた気がする。」

「リムの癖にうるさいよ!」



リムの癖にって何だ!とツッコもうとしたが、話がややこしくなりそうだから、自分の怒りをそっと沈めることにした。

転校生くん、既にシーナのノリに戸惑ってるもん。

シーナをギロっと睨んだあと、転校生くんに話の先を促すように視線を移し替えた。

すると、転校生くんは私の視線に気づいたようで、慌てて口を開き始めた。



「そうか、なら遠慮なく…。失礼なことを聞くようで悪いが、一度会ったことはあるだろうか?その…一度会っていたらすまない…。」