市原先輩は、 私の手を握ると、スッと、 自分のもとに寄せた。 「どうぞ、一曲」 そうって先輩は、ニコッと笑う。 私の心臓が、 大きくはねあがった。 『コト、君は、 恋をしているのであります』 アヤの声が、頭を横切る。