ロクとパダと3人で出かけることが多くなった。

2人っきりのデートより、パダがいるほうが、楽しかった。

もともと言葉数が少なかった私が、だんだん話せるようになっていった。

ロクは、バイクの話しかしないが、パダは、ファッションや音楽の話をよくした。

パダが好んで通う服屋に置いてある服は、どれも、高かった。
ちょっとしたTシャツですら、15000円ぐらいした。

パダは、172センチの細身だった。たいてい何でも着こなせた。アメカジを好んで、いつもきれい目カジュアルな服装をしていた。
素敵だと思っていた。

ロクは、165センチの細身。いつも、だぼだぼでぶかぶかの服を好んで着ていた。腰履きのズボンに、かちゃかちゃうるさいベルトを付けていた。
ヤンキーかぶれみたいで、好きじゃなかった。

私は、自他共に認めるダサい女だったので、おしゃれな場所では浮いていた。

パダを見ていると、自分もおしゃれになりたいと思うようになった。

2人に、レディースの服を見るのに付き合って貰うのは悪いから、たまに1人で街まで行って、買うようになった。

髪型も、校則の範囲で、今風に変えた。
ピアスも開けた。

パダが、可愛いと言ってくれるたびに、嬉しかった。

自分自身が、彼氏のロクではなく、彼氏の友達のパダが好きだと気付くまで、そう時間はかからなかった。