「しい、彼氏とヤッた?」

ユウコとケイコに、毎日聞かれた。

「まだ、何もさせてないんだ。」
「彼氏よく、我慢してるよねー。」
「なんで、しないの?好きなら、いいじゃん?」
「彼氏、欲求不満になっちゃうんじゃない?」

ロクが欲求不満だったのかそうじゃなかったかは、わからないままだけど、

私は、そういう雰囲気になるのを、ずっと避けていた。
そういうことは、大人になるまで、誰ともしたくなかった。

パダとすら、したくなかった。


彼氏のことが、実は好きで付き合ってるんじゃなくて、
実は彼氏の友達が好きなんだ。

そんなこと、ユウコにもケイコにも言えなかった。

学校で、ユウコとケイコの恋話を毎日聞いたけど、自分のは全くと言っていいほどしなかった。

ユウコやケイコと違って、私は、彼氏にちゃんと向き合えてない。
身体の関係を受け入れる以前に、彼氏のことが好きじゃないし、興味もない。
ロクは、どんどん私のことを好きになってくれていた。
異性に好かれるのは初めてのことだったのに、嬉しくなかった。

私は、何がしたいのだろう。

私にとって彼氏って、何なんだろう。