そして、私の知り合いの人の言葉では。




「…えっ!?」



思わずびっくりして声を上げてしまった。




5年くらい会っていない幼馴染がいたから。



「知り合いか?」




「うん。幼馴染…」




ちなみに男だ。



ニコッとこっちを見たので、私もニコッと返す。



そんな私たちの横で禅が、私にしか分からないくらいの声で不機嫌そうに言った。




「あいつのこと好きなのか?」




えっ?



「そんなわけないじゃん!」



即答でそう言うと、じゃあいい…と言って、禅はまた前を向く。




もちろん小さい声で…




なんだったんだ…




今日の禅は分からない…



「それでは、ウェディングケーキ入刀です。」



お祝いの言葉は終わって、ケーキ入刀になった。



出てきたケーキは5段になったすごく大きいケーキだった。



「すごい…」



思わずみとれてしまう。



スタッフにナイフを渡されて、禅と握る。



「それでは、入刀です!!」



その声に合わせて、ナイフを入れる。



パチパチパチ…



「では、新郎から新婦に!」



あ、忘れてたよ…


相手に食べさせるんだよね…



禅は私の口元にすくったケーキを持ってくる。



パクっ…




お、美味しい〜!!



「では、新婦から新郎に!」



あ、私か…


「はい。」



一口分すくって、禅に差し出す。



禅もパクっと食べてくれた。



そう言えば、禅って甘いもの平気なんだっけ?


まあ、これは食べないわけには行かないけど…