シュルっと音が鳴る度、心臓がドクンと脈打つ。
やばい…
変に意識しちゃうよ…
頭がぼーっとしてくる。
また、シュルっと音がして、お腹の締めつけが無くなった。
「おい…藍羅…男に脱がせるって意味分かってんの?」
いつの間にか帯は足元に落ちていて、禅が私の身体をがっちり捕まえていた。
こんな体制で、耳元で禅の低音ボイスが聞こえたから、全身にピリッと電気が走ったような感覚になった。
あっ、やばい…
そう思った時には、既に遅くて、全身の力が抜ける。
「おっと…」
膝から崩れ落ちそうになった私を、禅は後から、私の胸の下に手を入れて支えた。
後から抱きしめられる形で支えられている。
恥ずかしいけど、足に力が入らない…
どうしよう…
さっきより早く動いている心臓を感じながらも、離れないとやばいと思っている。
そんな気持ちを裏切るように、私の身体は言うことを聞いてくれない。
「藍羅…?」
そう、耳元で囁かれただけで、力が抜ける。
「んっ…」
何もされていないのに、甘い声が漏れる。



