「ねぇ、禅!
アイス買ってきてよ!」
「はぁ?なんで俺が…!」
「行かないなら、藍羅ちゃん連れて帰っちゃうからね!」
「はぁ…分かったよ…
藍羅に変なことするなよ…」
禅は亜里沙さんにギロっと睨んでから部屋を出た。
私が、びっくりしてぽかんとしている間に2人の話が進んでいた。
「さぁ!藍羅ちゃん!やっと2人になれた〜!
あいつも藍羅ちゃんにベタ惚れだね!
羨ましいわ〜」
「あ、いえ…
私と禅はお見合い結婚なんで、きっと禅は私なんかと結婚して、嫌だったと思いますよ…」
お姉様相手で、少し緊張しながらもそう返事をする。
「そんなことない!!
だって…
あっ…」
お姉様は何かを言いかけて、止めた。
「どうしたんですか?」
「これは、私が言うより、禅に聞いた方がいいわよ。
帰ってきたら聞いてみな?」
…気になる…
「それより、藍羅ちゃん、さっきレストランに来てたでしょ?」
…バレてた…
じつは振り返った時に、目が合った気がしたんだよね…
「あ、でも禅は気づいてないからね?
でもどうしてあそこに居たの?」
禅は気づいていないと知ってホッとする。
「えっと…」
まさか、浮気してるかもと疑って、あとをつけたなんて…言えない…
「そっか〜勘違いで良かったね!」
「えっ!?」
「今の声に出てたよ?
私を浮気相手と勘違いするとはね…
ふふふっ!」
お姉様はツボに入ったみたいで爆笑している。
言うつもり無かったのに…!!
恥ずかしくて、顔が燃えるように熱い。
きっと、今真っ赤だろう…