「もう大丈夫!ごめんね?

じゃあ…ばいばい」



家に入ろうとすると腕を掴まれた



「え?」





「…家に寄ってかない?」


ほんのり赤い顔をして私をまっすぐ見つめる




「どうして?」


「えっいや…」


ウブな黒瀬のことだから邪なことはいっさい考えてないんだろう

きっと



「今日俺の家オムライスなんだ」


「…食っていかねー?」



わたしの好物だ


健気な黒瀬に思わず笑ってしまう

「いいの?」



おなじ中学の人はほとんど知ってる

わたしが母子家庭なこと

そしてお母さんはわたしを養うために仕事が大変で帰ってくるのは土日だけ







「ただいまー」


「おかえりーあんたあの女の子連れてくるってメールどういう意」

黒瀬のお母さんはわたしを見るなりわたしの手を掴んだ




「かわいい子!!!!どうやってつかまえたの?」




「いや母さんちがうって

…おなじクラスの友達」