しばらく桃原は泣いていたけど


「…私ずるいからそんなこと絶対言わないよ?いいの?」


「それは好都合だな」



うん、桃原があざといこともわかってる

いやあざといって何かよくわかんねーなやっぱり



それから桃原の家まで無言で歩いた


小さなすすり泣く声を聞きながら


「黒瀬」


「ん?」




「ありがとう」


「うん」




じゃあなって少し震える手を肩にぽんっとして別れた




あーなんで俺今まで野球しかしてこなかったんだよ!?

もう少し女慣れしておきたかった