「…あー桃原さん、女子に目の敵にされてんの」



まだ終わってないの気づかなかった、

なんて前から知ってたように悔しそうに言う



「なんで?」




「偶然聞いたんだよね、女子の会話

桃原さん最近三浦狙ってるよねってトイレから出てきたのを」



え?奏のこと好きなのかよ?

…いやショックを受けてる場合じゃねーな


「だから注意して見てたんだけど案の定桃原さんをはぶいたから」



「あーいわゆる嫉妬ってやつか」



「そうじゃない?」



「やばいなうちのクラス」


「あ、蓮」


いつから聞いていたのか心配そうな顔をした蓮が後ろにいた



「おはよ」



「それって奏が桃原と俺の間には何もないって言えば収まるんじゃねーの?」


その女子は奏を好きだから嫉妬してるんだし



「あー俺見たよ、

奏が女子に “俺にも桃原さんにもお互い好意はないからくだらないことすんのやめたら” って言ったの」